約 2,060,868 件
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1068.html
戦うことを忘れた武装神姫・番外編 ちっちゃい物研・商品案内-12 <東杜田技研・新製品のご案内-12> 注)当然ですが、以下の内容はすべて当方の脳内生成物であり、 現実には存在しませんので。。。 <東杜田技研・新製品のご案内> ・・・・・・・・・・・・・・・・・ このたび、弊社の小型ロボット向け機器ブランド「HT-NEK」では、 プロフェッショナル志向のコンデンサーユニット「電龍」を新たに 発売いたします。 !警告! 本製品は、神姫本体を大幅にパワーアップさせる装置です。使い方 を誤りますと、神姫ご自身の破損や、周囲へ甚大な被害をもたらす 事故につながる可能性もあります。 従いまして、オーナー様・神姫本体ともに対戦を始めとした諸活動 に十分慣れている、あるいは耐えられるだけの補強がなされている ことが使用上の条件となります(詳細はパッケージをご覧下さい)。 なお、本製品を使用されて生じた故障・破損・事故等につきまして は、当社では一切の責任を負いかねますので、ご了承下さい。 また、コンデンサーユニットを対戦での使用を禁止しているリーグも あります。(主催者等にご確認下さい。) ~武装神姫専用コンデンサーユニット「電龍」主な特徴~ ■弊社が開発いたしました新型の小型軽量電気二重層コンデンサを 採用。 弊社の技術の結晶でもあります。 ■瞬発力・持続力ともに他社製品を軽々と上回る高性能を誇ります。 またサイズ・デザインも、極力神姫たちの活動の妨げとならない ように設計されています。 ■通常の瞬発力向上の使用方法のみならず、各駆動部・装備への直結 をさせることも可能。 通常では考えられないパワーを、即座に 得る事が出来ます。 ■DMH-SPシリーズとは異なり、瞬間的なパワー・すばやさが欲しい、 あるいは、装備の短時間過負荷使用を行いたい場合のお手伝いを いたします。 ■もちろん日常生活における「ちょっとしたパワーが欲しい」際にも ご活用いただけます。 ■ラインアップは全部で4種類。 ・電龍「1000」(カラー:白・黒・黄・緑・艶消し黒) オーソドックスな筒型。入門用に最適の電気容量です。 通常神姫で、神姫1充電あたり最大8~10回の使用が可能。 フルノーマルの神姫でも、安心してお使いいただけます。 ・電龍「2000」(カラー:白・黒・グレー・紫・迷彩) ツールボックス型。外寸は1000とほぼ変わりませんが、 容量が倍となっています。通常神姫で神姫1充電あたり 最大5~6回の使用が可能。 フルノーマルの神姫でも、安心してお使いいただけます ように、リミッターユニットを付属させております。 ・電龍「1500*2」(カラー:白・黄・赤・青・艶消し黒) ヒップバッグのようなクールなデザインに秘められた、 強大なパワー。 1500ユニットを二個用いることで、 どんな神姫にも、どこへでも取り付けられるように配慮 されたユニットです。 強力な瞬間的過負荷に耐えられるよう、専用のケーブル が付属します。通常神姫ですと神姫1充電あたり2~4回 の使用が可能です。 ※1500*2は、セミプロフェッショナル仕様です。ノーマルMMS・装備 の神姫には使用しないでください。破損・故障する恐れがあります。 ・電龍「5000」(カラー:タイガーのみ) ドラム缶をイメージした、やや大型のユニットです。 シリーズ最大の容量とパワーを持ち、いざという時には 大変に心強い味方となってくれること間違いなし。 専用配電ケーブル、専用コネクタを付属。 ※5000は、プロフェッショナル仕様です。ノーマル素体・装備の神姫 には絶対に使用しないでください。装備やMMSが破損・故障します。 また、神姫ご自身も十分に説明DVDを参照していただき、自らの保持 可能電力とのバランスを学習させてください。 通常神姫ですと、5000では1回の使用でMMSのバッテリーを約80% 消費いたしますので、使い方を誤ると活動停止に陥る可能性があり ます。 補助電源・バッテリーの使用を強くお勧めいたします。 ※パワーアップにより生じた神姫の破損、および事故等による周辺 への損害等への保証は致しかねます。ご了承下さい。 新たな情報は随時公開いたしますので、HPにてご確認下さい。 <武装神姫専用コンデンサーユニット「電龍」> ・対応武装神姫 現在発売中の全武装神姫(純正拡張ハンガーが使用可能な神姫に 限ります) ・対応オプションパーツ 専用ケーブル・コネクタセット(金メッキプラグ仕様) 電龍シリーズ・活用の手引き(取り扱い解説DVD) ・付属装置・付属品 マニュアル、収納ケース、専用ケーブル(1500*2・5000) ・発売予定価格 (現在未定) ・発売予定時期 (今秋予定) 以上 <<トップ へ戻る<<
https://w.atwiki.jp/sinraf/pages/2394.html
0232_銀麗神姫デヒテラ能力 限界突破 必殺技:ルナティック・ドライブ ゲームオリジナルカード 0232_銀麗神姫デヒテラ/コメント 0232_銀麗神姫デヒテラ 麒麟 0232 銀麗神姫デヒテラ (ぎんれいしんきでひてら) 勢力・陣形 タイプ コスト 基本技 麒麟五霊陣 魔 5 ランダムに味方の行動を早める【効果量66.66%】 能力 初期ステ Lv 0 HP 680 攻 395 防 565 速 120 5 748 414 593 121 10 816 434 621 122 15 884 454 649 123 20 952 474 678 1241段階突破 20 突破後HP 突破後攻 突破後防 突破後速 25 30 35 40 2段階突破 40 突破後HP 突破後攻 突破後防 突破後速 45 50 55 60 3段階突破 60 突破後HP 突破後攻 突破後防 突破後速 65 70 75 80 4段階突破 80 突破後HP 突破後攻 突破後防 突破後速 85 90 95 100 このページの先頭へ 限界突破 限界突破 Lv上限 コスト HP 攻 防 1段階 40 6 + + +2段階 60 7 + + +3段階 80 8 + + +4段階 100 9 + + + 必殺技:ルナティック・ドライブ 効 果 技Lv 効果量 味方全体の行動を早める ブースト発動 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 50% 52.5% 55% 62.5% 75% 技ランク 補 足 H・SP・極(コスト5) スクショがあれば貼る 編集 この技の説明 / この技の威力一覧 / この技を持つカードの一覧 このページの先頭へ ゲームオリジナルカード 「七夕祭」(2013年7月2日~7月9日)期間に F、SP、H、S、CP(0226~0231)のカードを引いて、 「フロンティアポイント」を1000ポイント獲得したプレイヤーに配布された期間限定カード。 現在は入手不可。 7211_銀麗神姫デヒテラとイラストは同じのアナザーで、背景とタイプ、ステータス、基本技が異なる。 技Lvを揃えれば強化合成が可能 フロンティア 実装日:2013年7月2日 フロンティア+ 実装日:2013年7月4日 このページの先頭へ 0232_銀麗神姫デヒテラ/コメント 速度バッファーとしては優秀だけどどうせなら戦闘員でほしかったなあ - 名無しさん 2013-07-02 16 32 15 微強の硬さで、やや速く、完全速バフ技でブースト付きのデヒテラ。麒麟パでは使えるかな - 名無しさん 2013-07-02 19 28 41 かわいい - 名無しさん 2013-07-02 19 34 49 俺、この祭が終わったら、デヒテラちゃんと夫と息子との夢のパーティを作るんだ…! - 名無しさん 2013-07-02 19 59 41 ドーンにやられたら、駄目だけど、倒されない内は良い仕事する - 名無しさん 2013-07-02 20 59 01 全体パにも弱いな。貫通も然り - 名無しさん 2013-07-02 21 33 37 まあバフなんてそんなもんだ。無も最近は貫通無クリでてきたから安泰ってわけでもなくなってきたし - 名無しさん 2013-07-02 21 47 52 勿論ステは劣るものの、バッファを5コスまで突破育成する手間が無いのが良い - 名無しさん 2013-07-03 09 24 01 ステよりも速バフ+ブーストってのに惹かれる。2体用意して枡で運用するのが夢です。夢だけです。100レベ遠い… - 名無しさん 2013-07-03 11 09 29 まさかとは思うが速度バフを100にして運用するなんて言ってる訳じゃないよな? - 名無しさん 2013-07-07 19 27 14 2体用意って言ってるからSPバフ(メビクリ芝)*2みたいな運用にするんじゃないのかな? - 名無しさん 2013-07-07 22 10 36 ブースト目当てでバッファーいれるってどうなんだろう - 名無しさん 2013-07-14 21 12 28 防御寄りのステで速度速め、かつHP水準も高く、速度バフとブーストはシナジー有り、ってのを考えればアリじゃない?ブーストが無いよりはあったほうがいいでしょ - 名無しさん 2013-07-14 23 29 41 優秀には違いない。かわいいし - 名無しさん 2013-07-15 08 31 48 色々見た感じ、ホクシンより速バフとして優秀だと思う。所属が違っていたら - 名無しさん 2014-07-23 22 42 38 見てないけども総合ステは向こうのが上にならん? - 名無しさん 2014-07-24 00 27 49 ブースト持ちの方が若干有利だと思うんだが - 名無しさん 2014-07-24 07 23 16 名前 ステータス/技威力等の追加掲載依頼は以下↓↓にご記入ください コメントの最初に、カード名として【 [[0232_銀麗神姫デヒテラ]] 】を入力(【 】内をコピペ)してください (ステータス掲載用コメントは全カードで共有します。カード名を入れないと、どのカードのステータスか判りません)。 Lv20 HP952 功624 防528 速124 - 10214_武神将ヘルマティオ 2015-02-02 18 11 01 名前 このページの先頭へ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2079.html
ようやくコメントコーナーを立ち上げました。 上にあるとおり、ツッコミ、感想その他はこちらまで。 -- (ichguc) 2009-04-23 18 43 03 昨日のアクセスが15って・・・・・。 閑古鳥が大群で押し寄せてきた・・・・。 -- (ichguc) 2009-04-29 20 25 19 合計アクセスがやっと1000カウントを超えた。 見る人はいるもんだな・・・。 -- (ichguc) 2009-05-26 13 06 38 感想が全く来ない・・・。 悔しいけどとみすけさんには遠く及ばないからな・・・。 OTL -- (ichguc) 2009-08-02 20 49 24 どうも、「The Armed(ry」の作者のichgucです。 突然ですが、現在文化祭ネタを考案しています。 そこで、趣向を凝らしたバトルを開催する予定ですが、皆様の作品のキャラを 「一般参加者」として出演させたいと思っています。 希望される作者様は当作品のコメントにて、お申し付け下さい。 では、これにて。 -- (ichguc) 2010-06-08 09 18 06
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1996.html
20xx年4月終了時点での登場人物紹介 マイナス☆13までのネタバレを含みます。 読むのがめんどくさいかたはご利用ください。 巴荘の住人 変わり者揃いのアパートの住人たち。二階建て、四部屋。 武井 峡次 巴荘102号室の住人。一応主人公っぽい。 東条学園高等部工業科一年。15歳。 自転車に乗るのと機械工作が得意な貧乏学生。 自転車便のバイトを始める事になる。 ノリコ(ノリ) フォートブラッグタイプの峡次の神姫。起動したばかりで、わりとモノ知らず。 素体は全裸。 峡次のこととアイスクリームが大好き。 網延 千喜 巴荘201号室の住人。 東条学園高等部普通科一年。15歳。 ご都合主義な超能力者。触れた相手の感情を読んだり、弱い念力を使ったり出来る。 プシュケ ジルダリアタイプの千喜の神姫。 匂いフェチ。 小鳥遊 鳥小 巴荘202号室の住人。 東条学園専門学部デザイン科一年。18歳。 秋葉原のドールショップ『真直堂』でデザイナー兼のバイトをしており、『コトリユトリコ』というブランドネームを持っている。 料理が上手く、巴荘の他の住人を餌付けしている。 シュベールト(ベル) サイフォスタイプの鳥小の神姫。 サイフォスタイプなのに刀を使う変わり者。 伊小野 倉太 巴荘101号室の住人。 東条学園大学院生、網延ゼミ所属。25歳。 海外に研究に出かけている教授に代わって網延ゼミを仕切っている。 動作停止したジルに新たな素体を与えた。 エリアーデ(エリ) 倉太の神姫。網延ゼミ所属の、ベースモデルを持たないオリジナルモデル。 トイズ・メッセンジャー 峡次のバイト先の自転車便。 向坂 碧 自転車便企業 トイズ・メッセンジャーの若き女社長。 趣味でメイドハンマーのチームを仕切っており、トイズのスタッフにも半ば強制的に参加させている。 公私混同の達人。 ミドリ 碧の持っている60cmクラスドール。 黙っていればものすごい美少女ドールだが、性格はこれ以上ないほどに凶暴な残念ドール。 ベースは双子のじょうろ持ってる方。それ以上は消されるので言ってはいけない。 百式 トイズ・メッセンジャーのスタッフ。 メイドハンマーチームでの使用機体は百式。 それ以外 主に前作(ドキドキハウリン)の登場人物 戸田 静香 東条学園大学部一年。18歳。 やりたい放題の残念美人。 ココ ハウリンタイプの静香の神姫。 もと武井隆芳の『クウガ』。 花姫 アーンヴァルタイプ。 起動時の手違いとエラーで、同じ神姫のココをマスターとして認識している。 鋼月 十貴 東条学園大学部一年。18歳。 戸田静香の隣人兼彼氏で、網延千喜の兄。 ジル 十貴の神姫。 前はストラーフだったが、色々あってハーモニーグレイスの身体で生まれ変わる。 鋼月 雄歩 十貴・千喜の父。 ガングラー鋼月のペンネームで、玩具関係のライターをやっている。 ゴルドさん 雄歩のパートナーのアクションヒーロープロ。 武井 隆芳 秋葉原にあるドールショップ『真直堂』のオーナー。 武井峡次の兄。 秋葉原メイドハンマーチームのメンバーの一人。 使うキャラクターは、アキ・タツキの二人。 アギト(アキ) リュウキ(タツキ) ツガルタイプの隆芳の神姫。双子。 トップ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/597.html
先頭ページへ 設定解説 ここではMightyMagic本編において、現在までに全容が判明している設定を公開しております。 バーチャルバトル概要筺体 おおまかな試合の流れ 武装神姫・オフィシャルバトルリーグ概要ランキングポイント バトルの形式 非公式バトル・裏リーグ バーチャルバトル概要 ※本設定はバーチャルバトルを行っている多くの作品に汎用できるよう書かれております。ご参考になれば幸いです。 今日における「武装神姫」の全世界的な市民権獲得は、ファイトマネー形式によるアクセス料金の10%~最大数十倍の還元制度もさることながら、本項で説明するバーチャルバトルの普及が重大なファクターであると言っても過言ではない。 オフィシャルの介入のなかった草創期において、武装神姫が草バトル規模から脱却し切れなかった原因の一つに、神姫のロスト事故がある。当時リアルバトルしかバトルの方法が存在せず、また往々にしておざなりなものでしかなかったレギュレーションから生まれた数多くの威力過剰な自作武装パーツは、精密機械の塊である神姫にとってはほとんど凶器であり、しばしばコアやCSCが損傷してしまうことがあった。それは最悪の場合神姫の再起不能に繋がり、決して安くはない所有物を破壊されてしまうデメリットと共に、日常生活における最愛のパートナーを無残に失ってしまう衝撃が大きかった。数多くの神姫オーナーに武装神姫への二の足を踏ませてしまうには、それは十分すぎる不安材料だと言える。 オフィシャルの介入が果たした役割は、アーンヴァル、ストラーフに始まる公式武装神姫の開発、発売だけではない。ご存知神姫BMAの発足から、公式のリアルバトルリーグ(バーチャルバトルのまだ無い当時はただ単に公式リーグと呼ばれた)を設け、またしっかりしたレギュレーションを設定することによって威力過剰な自作パーツを排除し、バトルによる神姫のロストを1%以下にまで押さえることに成功したことも、見過ごしてはならない功績なのである。 しかし、それでも深刻なロスト事故が完全になくなったわけではない。神姫の開発元であり神姫BMAの総元締めであるEDEN-PLASTICSは、公式リーグの整備と並行して、近年その技術が実を結び始めたバーチャルリアリティのノウハウを流用、将来人間が利用するための実地テストも兼ねた「仮想空間における武装神姫バトル」のシステム開発も推進してゆく。 そして、アーンヴァル、ストラーフの発売から、公式武装神姫第二弾のハウリン、マオチャオ、ヴァッフェバニーの発売をまたぎ、およそ半年を経てついに、ロスト事故の起こり得ない「バーチャル武装神姫バトルシステム」、V.B.B.S.の実用化に成功する。 一般的なシステムの概要は以下のものである。 筺体 二台のオーナーブース(ある程度大型の筐体になると個室となり、オーナーズルームと呼ばれる)と、その中心に設置された三次元立体ディスプレイ(低コストの通常ディスプレイの場合もある)、その一セットにつき一台以上のインフォメーションブースが最もよく見られるタイプのV.B.B.S.筺体である。設置店舗の規模によってディスプレイの形が四角形から円形へと変わることがあり、またその大きさも違ってくる。複数によるタッグバトルやバトルロイヤルが可能な店舗では、オーナーブースが四台や六台も設置されている。 インフォメーションブースではオフィシャルバトルライセンスの登録、ICカードの発行、各種設定の登録、ランキング情報の閲覧などが行える。 オーナーブースに最低限ある設備は、三面ディスプレイ、操作コンソール、神姫アクセスポッド、武装メインボード(デッキ)、武装サイドボード、そしてICカードリーダーである。 三面ディスプレイは椅子に腰掛けたオーナーの前方に、その名の通り三つの二次元ディスプレイが三面鏡のように設置されている。デフォルトの設定として、中心の画面には自分の神姫周辺の映像を映し出し、左右には神姫の武装と神姫自身のコンディション、レーダー、フィールドマップなど、バトルに必要な情報を表示するようになっている。オーナーはこれらに目を配りつつ神姫に指示を出してゆく。ディスプレイの表示内容は通常手元のコンソールによって自由に変更可能だが、店舗によっては表示内容が著しく限られておりオーナーは見ているだけというものや、逆に神姫自身が把握できる以上の情報を網羅し積極的に指示させることを目的としたものもある。 ディスプレイ脇に設置された二十センチの細長い卵のようなものが、神姫アクセスポッドである。バトルをする神姫はポッド内部に寝かせられ、陽電子頭脳への直接低周波励起によってバーチャルリアリティを体験する。 アクセスポッドの土台にある引き出しのような武装メインボードはトレーディングカードゲームにならってデッキと呼ばれ、バーチャル空間に出たときに神姫がプリセットで身に着けている武装を入れて置く所である。その下の引き出しは戦闘中に変更する武装や補給する弾薬を入れる武装サイドボードである。 メインボードやサイドボードに入れる武装の装備設定は試合前に行うことができるが、時間がかかるため事前に自宅やインフォメーションブースで設定をICカードに登録しておくのが望ましい。ICカードには武装構成情報のほかに、ディスプレイの設定など、各種情報を記録しておくことができる。 おおまかな試合の流れ ここでは今から武装神姫を始めるものとして説明する。まず最低限準備するものは自分の神姫とその武装、そしてアクセス料金であることは言うまでもない。 オフィシャルバトルライセンスを持っていない場合、インフォメーションブースでライセンス登録をする。オーナーの名前、神姫の名前やタイプなど、必要な情報を入力していって、ライセンスICカードが発行されると登録完了である。この時点で登録された神姫は自動的にサードリーグへ配属される。なおライセンスはオーナーではなく神姫自身に付与され、ランキングも神姫ごとに異なる。そのためICカードは神姫一体ごとに一枚必要となる。登録後すぐにバトルへ向かうことができるが、その前にこのまま武装の構成を続けて設定、登録しておいた方がよい。 武装の設定を終えたらオーナーブースへ向かう。ICカードをリーダーに差し込み、料金を投入。オフィシャル介入初期はバトル人口が少なかったこともありお世辞にも安いとはいえないアクセス料金であったが、全世界的に広まった現在は小学生でも一週間に一~二度遊べるほどリーズナブルになっている。 神姫をアクセスポッドに寝かせ、メインボードにプリセット装備を入れ、予備の装備や弾薬があればサイドボードに入れる。事前に武装構成設定やディスプレイの表示設定を記録しておいたのなら、これだけで準備は完了である。近年では「データウェポン」と呼ばれるバーチャルバトル専用の武装データが記録されたカードが発売され、実物と比べて安価であるためバーチャルバトル人口の更なる増加に貢献している。 五分間の待機状態に入り、その間にコンソールで操作するか対戦相手が現れなかった場合、オンラインから相手を探す。デフォルト設定ではオンラインに接続した瞬間相手は自動で決められるが、待機時間が余っていてなおかつ自分の次に待っている人がいないのならば、設定を変えてオンラインのバーチャル空間で五分いっぱい相手を待ちつつ練習が可能である。いずれにせよ五分後には必ず対戦が組まれることになる。 バトルフィールドはだいたいにおいてコンピュータ側が自動で決定する。ただ完全なランダムではなく、水中用の神姫同士なのに地上フィールドが出てくるなどということはありえない。なるべく公平になるよう選ばれるが、かといって絶対というわけでもなく、地上型の神姫同士の対戦で広大な山岳地帯、つまり本来なら空中戦同士が戦うべきフィールドが選ばれる場合もある。つまり戦闘そのものに支障が起きなければ、どのようなフィールドも選ばれる可能性はあるというわけである。 戦闘はバーチャルリアリティのコンピュータとは独立したジャッジAIシステムが、筺体一台につき「主審」一台と「副審」二台で判定する。リアルバトルのように「コアのある頭部やCSCのある胸部を攻撃してはならない」などという禁止事項は無く、データ改ざんなどに始まるいわゆる「チート」や、双方隠れたままや動かないままで攻撃も何もせず延々と状況が進展しない「ネガティブペナルティ」などを除けばほとんどルール無用の戦いが繰り広げられる。相手を撃破するか、降伏させる(する)ことで勝敗が決定し、勝者には対戦相手とのランク差に応じたランキングポイントが与えられる。ある程度ランクが上がれば勝者には料金の還元が発生し、最初は微々たるものだがセカンドリーグも中頃になってくると還元額がアクセス料金を上回るようになり、上位になればそれだけで神姫関係のメンテナンスや装備購入が可能になってくる。花形のファーストランカーの中には、武装神姫で生活しているオーナーもいるほどである。 武装神姫・オフィシャルバトルリーグ概要 ※本設定は多くの作品に汎用できるよう書かれております。ご参考になれば幸いです。 バーチャルバトルの実現、それに伴う競技人口の爆発的な増加にあたって、神姫BMAは従来一リーグ制でリアルバトルしか試合形態のなかったオフィシャルバトルリーグを全面改定することとなった。ここに現在の、サード、セカンド、ファーストに分かれた三リーグ制が生まれる。ここでは現在の制度をもとにオフィシャルバトルリーグを説明する。 ランキングポイント オフィシャルバトルライセンスを発行された神姫は自動的にサードリーグへと配属され、その中でバトルをしてランキングポイントを溜めていくことになる。 ライセンス発行時点でその神姫にはあらかじめいくらかのランキングポイントが付与されており、このポイントはバトルの勝敗によって増減する。ポイントの加算はただ増えるだけではなく、対戦者どうしのポイント差――つまりポイントとはその神姫が持っている実力の代替値であり、その差である――からコンピュータが判断し、敗者から一定割合が差し引かれ勝者に移動することによって増える。つまり戦った相手が自分よりも強ければ強いほど(所持ポイントの差が大きいほど)、勝利時に大量のポイントを取得することができるのである。 つまりどんなに参加者が増えリーグ昇格のための目安ポイントやリーグ全体のポイントがインフレを起こそうとも、リーグ昇格に必要な努力の平均量はほとんど変わらない。 そういった制度上、積極的にバトルしていれば例えどんなに弱い神姫であろうとも自然と実力がつき着実にランキングを増やせるし、それほどバトルに参加しないのであればランキングは下位のままである。もちろん上位になってゆけばゆくほどランキングの維持や昇格は難しくなってくる。特にファーストリーグは別格で、天下のトップ100以内であろうとも日々メンツが変動し、少しでも努力を怠ればたちまちランクが落ち最悪セカンド降格になることも珍しくない。 バトルの形式 バトル形式は三リーグともにリアル、バーチャルの二種類が選択可能である。しかし、現在サード、セカンドではバーチャルバトルが大半を占め、ファーストリーグでは逆にリアルバトルが通例となっている。これはもちろんリーグごとの意識の違いによるものであり、サードでは大半の参加者が「大事な神姫を傷つけたくない」という考えであるからバーチャルバトル一色となっているだけである。ランキングが上がってゆくにつれてリアルバトルの割合は増してゆくが、セカンドまではたとえ上位でもバーチャルバトルで戦うことがほとんどである。 逆にファーストリーグではお互いに実力者であるという敬意とプライドから、ほぼリアルバトルで戦われる。レギュレーションにより威力過剰なパーツはなくなったとはいえ、制限に肉薄する性能の装備群が織り成す極限の死闘は、バーチャルバトルでは味わうことのできない迫力とスリルを生み出す。これは人間の格闘技に通じるものがあると言える。もちろん愛護団体等による非難も少なくないが、全世界にファンがいる今、レギュレーションを改正することはあっても試合自体を規制することはもはや不可能である。ただ、ファーストランカーである神姫たちの名誉のために言うならば、彼女達は人間の欲望に振り回されているのでは決してなく、自らの意志でリングに上がり、ファーストランカーとしての自分に誇りを持って戦っていることは間違いない。 非公式バトル・裏リーグ 厳密にはオフィシャルとは関係ないが、バトルを語る上では外せない事項であるためにここで説明する。 神姫業界、こと武装神姫において現在大きな問題となっているものの一つに、非公式バトルや裏リーグがある。 ただ非公式バトルに関しては、それだけでは問題とはならない。オフィシャルバトルライセンスを持たない神姫たちはたくさんいるし、そう言った神姫同士の草バトル、いわゆるフリーバトルは様々なところで行われているからである。問題となるのは、そこに金銭や威力過剰パーツが入ってきたときである。 様々な催しで非公式バトルが組まれるとき、観戦料金を取ったり選手にファイトマネーが支払われたりするだけであれば問題は無い。ただ、「どちらが勝つのか」などで観客が金を賭け始めたならば、届出をしていない場合無許可賭博となり犯罪となる。 威力過剰なパーツが使われたならば、神姫に対する危険もさることながら周囲の人間に被害が出たときに場合によっては失明したり最悪生命に危険が及ぶことがある。一定の威力を超えるパーツは現在法律によって取締りの対象となっており、やはり犯罪なのである。 こうしたことを陰で平然と行っているのが、裏リーグである。裏リーグにおいては無届賭博や違法パーツの使用はもちろんのこと、たとえフリーバトルでも固く禁止されている「コアのある頭部(首から上)、ならびにCSCのある胸部への攻撃」がさも当然のように行われている。これによってロストした神姫の数は日本国内で確認されているだけでも数千体で、実質一万体以上にのぼると見られており、看過することのできない社会問題である。 先頭ページへ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1324.html
SHINKI/NEAR TO YOU 良い子のポニーお子様劇場・その2 『Over the Rainbow』(前篇) >>>>> Higher higher higher! Higher higher higher! 色鮮やかなレーザービイムとスポットライトに照らされて、ステージに三体の神姫が躍り出た。 彼女たちの登場と共に、ステージを取り囲むビジターから一際大きな歓声が上がる。 右手から跳ね出るのは、お団子頭と可愛らしい八重歯が特徴のストラーフ型神姫。こちらは白い衣装に、頬に星型シール。朗らかで元気いっぱいの踊りを見せる。 ステージの左手からは、短い雪のような髪が特徴のフブキ型神姫。白い衣装に、頬に雫形のタトゥーシール。優雅な力強さを思わせる踊りを披露する。 さらにステージの中央、ライトに照らされて長い銀髪の神姫が舞い降りる。ステージライトの下、色取り取りに輝く純白のドレス、頬にはハート型のシール。白フブキと白ストラーフのふたりの神姫の真ん中から優雅に登場した、妖精のごとき白い神姫。 彼女たちは熱狂する歓声に両手を広げ応えると、華やかに舞いながら歌い出した。 1 関東有数の学術研究都市である摩耶野市。 そのほぼ中央に位置する摩耶野駅近縁にある大型商業施設、神姫センター摩耶野市店。 その上階を占める業務エリア内――神姫スタッフルーム(センター内のさまざまな業務活動に関わっている武装神姫たちの待機室)に彼女たちの〝楽屋〟は設けられている。 「ふみゅ~、今日のステージも盛り上がったね~☆」 大きく伸びをしながらチェアーに腰掛ける神姫、白夜。 お団子状のヘッドセットでまとめた髪、白に黒のラインが入ったボディカラー、限定モデルのストラーフ(悪魔型)。 「そうだね、集まったビジターの皆さんも楽しんでくれていた」 舞台メイクのタトゥーシールを外し片手でもてあそぶ神姫、白雪。 雪のように白い肌と、通常とは違う白を基調に鎖帷子を模した意匠、リペイントモデルのフブキ(忍者型)。 「でもその代わり、ワタシたちもより精進せねばならないということ。多くの人が集まってくれるということは、それだけ期待も大きいよ」 「ふみゅ~、人気者はツライぜってことだにゃ~ん。ふるふる」 そう口では言いながら、あっけらかんとした白夜。白雪はそれを横目で見つつ、雫形シールをテーブルに置いて、後ろを振り向く。 「フィはどう思う?」 『Ah...目覚めて...Ah...ひとりサヨナラを越える勇気抱いて...♪』 白雪に呼ばれ、先ほどから脱いだ舞台衣装をひらひら、楽しそうに歌を口ずさむ少女が振り返った。 「簡単なことよ。期待が寄せられるということは、それだけ多くの人たちが喜んでくれているということだもの」 光を浴びて薄紫に輝く銀糸の長い髪に、純白のボディカラーと艶のある真紅の瞳、先行生産型スペシャルモデルのテイタニヤ(妖精型)。 朝日のような微笑みを浮かべる白い神姫、フィシス。 「素敵じゃない? フィはとても素晴らしいことだと思うの」 そのグループのリーダーを務める少女の当然といった返答に、白雪と白夜はあきれ半分親しみ半分といった表情。 「やはりフィシスは心の臓の強さが我々と違うようだ。いや、この場合CSCの強さといった方が適切」 「さっすがぁ、フィたんはエッライね~ん☆」 「そんなことないわ、ごく自然なことよ。ビジターを楽しませ、喜びを伝える。それがフィたちの役目だもの」 この神姫センターのキャンペーンガール、訪れるビジターたちをショーで楽しませるアイドル神姫。センターに所属する神姫スタッフたちの花形にして、『センターの顔』という重大な役目を課せられた存在。 それが彼女たち三人、摩耶野市店の擁するアイドルユニット――ブルーメンヴァイス。 「でもでもぉ! フィたんもタマ~には、みんなみたいにフツーにしてみたいと思わにゃい? フツーフツー」 「……? 普通って?」 「白夜が言いたいのは、このセンターを訪れる一般の神姫たちのこと。彼女たちのようにマスターと共にバトルを楽しんだり、一緒のひと時を過ごす」 「そうそう、フツー武装神姫ってのはそういうもんだよねー」 「別に、そうは思わないけれど?」 フィシスは少し小首を傾げる。 「ひとりのマスターに奉仕するのも、大勢のビジターに奉仕するのも、同じことじゃないかしら? 他の神姫たちにとっての〝普通〟がマスターに尽すことなら、フィたちにとってこれが〝普通〟なのよ」 不思議がる二人に、フィシスは得意気に胸を反らして答える。それはこのセンターのアイドルとして自分たちにとって当たり前のことだ。 「はにゃ~。どう思います、白雪隊員。ユウトウセイですよ~」 「ふむ、完璧ともいえる思考ロジック。さてその我々とは違うポジティブさの秘訣とは?」 「白雪隊員! 白夜隊員はCSCの他なんたらかんたら、小難しすぃデリケートな部分が怪しいと思いますです。具体的に言うとあのふたつの丸く膨らんでる丘の辺りぃ!」 「ちょっ――ちょっと何するのよ、白夜!?」 にゅっとつかみ掛かってくる白夜の手に、フィシスが身をくねらせる先には別の魔の手が…… 「なるほど、さすが最新世代ボディ……」 「ちょっ、ちょっとぉ――!? 白雪もっ……やめてっ」 フィシスは慌ててその……いろいろと大事な部分を両手で隠しパッとふたりから離れる。 それを見て、白夜隊員と白雪隊員は「ギュピーンッ」と妖しくアイコンタクト。 フィシスは頬を紅く染め、両手で体を抱きしなりと「な、何?」。 「これはこれは、けしからんですみゃ~☆」 「姫よ、よいではないかよいではないかよいではないか」 「ちょっとやめっ! きゃああああ――っ!?」 ばったんきゅ~~ん☆ 「イタタタタ――ッ!×3」 しな垂れ掛かる重みに耐え切れず、三人は揉みくちゃになって盛大にフロアーと手痛いスキンシップをした。 「もう……白雪も白夜もいい加減にしてっ」「……少し調子に乗りすぎたみゃ~」「面目ない……」と三人――ギリギリまで頑張ったんだけど、やっぱりダメだった~、ばたんっ……と倒れた組み体操状態。 「……バカじゃないの?」 ぶつけた肩を擦るフィシスはハッとする。いつの間にか休憩ブースの区画先に、他の神姫スタッフたちがやってきていた。 ふいに湧いてくる羞恥心を抑えて、フィシスは自然を装い立ち上がる。「ほら、ふたりとも。いつまでも寝ていてはダメよ」 フロアーに這いつくばる同僚をせっせと助け起す。 「アイドル風情が、おだてられて調子に乗ってんじゃない?」 つかつかと歩きながら、楽屋に入ってきた神姫たちのひとりが呟く。調整された声量。さり気なく、だがワザと確実に聞こえるよう計算された音強。 ムゥ~ッとする白夜を手で制し、フィシスは相手に微笑を返す。 「どういうことかしら?」 対する神姫スタッフの一団。 色素の薄い髪に黒と赤の戦闘的に塗られたカラー、限定モデルのアーンヴァル(天使型)。 濃緑色の髪に真っ赤なボディスーツ、リペイントモデルのツガル(サンタ型)。 いずれもこのセンターの中でイベント時に巧みな空中ショーを披露する、アクロバットチームのメンバーたちだ。 「あら違った? ああ、そっかー。アンタらはキレーイに飾りたてられた案山子だものね」 一団の中から進み出るアーンヴァル。フィシスたちに挑発的な笑みを向ける。 身構える白夜と白雪のふたり、しかしフィシスはその笑みを真っ直ぐに受け止め、平然といった様子で思案する。 「……フィがブリキのきこりだとしたら、案山子が白雪で、きっとライオンが白夜ね」 くすくす笑っていたアクロバットチームの面々が「?」となる。にっこりと微笑えんで、フィシスは「うん」と納得したように頷く。 「だとしたら、きっと――フィはみんなを包む愛を、白雪はみんなを幸せにする知恵を、白夜はみんなを明るくする勇気を手にすることができるわ。とっても素敵じゃない?」 あっけに取られるアクロバットチームの前で、フィシスは屈託のない笑顔。 そんな彼女にアクロバットチームの神姫たちは毒気を抜かれ、「今に見てなさいよ」と舌打ちしながらチームリーダーのアーンヴァルが立ち去る。 戸惑いながらリーダーの後を追いかける神姫たち。 それを見送るフィシスの後ろで、白雪と白夜はこっそり「イエイ」と手を合わせ、ニンマリした。 2 「新しい試みのステージショー?」 ブルーメンヴァイスの三人は、マネージャー役を務める業務スタッフから次のステージ内容を聞かされた。どうやら、今度からステージイベントにアクション要素を取り入れることになるらしい。 「そうと決まったからには、頑張らなくちゃね?」 新イベントと聞いて明るく前向きなフィシスに比べ、白雪と白夜の足取りは重い。 「ふみゅ~、どうしてウチらのショーにアクションシーンが入ることになったのきゃなー? はてはて」 「確かに急な話だ。リスクも増える」 白夜はおチャラケた態度で誤魔化す。白雪は冷静を繕う。それが如実に語る、ふたりの新イベントについての不安と疑問。 「仕方ないわ、それがフィたちの〝もうひとつの役目〟なんだもの」 ふたりの不安を断ち切るようなフィシスの宣言。 センターのアイドル――ブルーメンヴァイスにはもうひとつ課せられた役目がある。 それは各種イベントやキャンペーンという形を通して、神姫センター内の様々なサービス、それを支える新技術の発展と実用試験を行うこと。 摩耶野市店のトップガン。 最新技術を用いた武装神姫であるフィシスたちだからこそ務まる、重要な役目だ。 「で、こーいうオチになりますきゃあ……」 練習用のステージに向かい、ブルーメンヴァイスの三人は各々の武装に身を包んでいた。 フリルを模した装飾のついた白亜の鎧に、ふわりと広がったドレススカートが華美な妖精武装を纏ったフィシス。 白磁の装甲に金の角と生やし、無骨な巨腕が重厚さと無邪気さをアピールする悪魔武装を装着した白夜。 白桃に染まる装束に白い狐の面を下げ、すらりとしたシルエットが軽やかで可憐な忍者武装を駆る白雪。 三人の前に居並ぶ神姫たち。黒い装甲黒い翼――それは限定アーンヴァル+リペイントツガルで構成された空中アクロバットチームだった。 「きーてにゃいよー」 「なるほど得心納得。だから先ほどはこちらに挑発的な態度を……」 ジトーッとうんざりした顔の白夜の隣で、嘆息する白雪。 新しいショーに取り入れるアクション要素……つまり、アクロバットチームと競演してステージイベントを行うのだ。 「あ~ら、アイドル様が今度は仮装大会でもやるつもりなのかしら?」 髪を肩で払い、すれ違いながらアーンヴァルリーダーが嘲る。取り巻きのアクロバットチームの揃って押し殺した笑いが続く。 フィシスはあくまでも笑みを絶やさず、通り過ぎる彼女らに声を掛ける 「みんなで一緒に、イベントが成功するよう頑張りましょう」 嘲笑されながら、嫌悪を微塵も出さずに語りかけるフィシスがおもしろくなかったのか。アクロバットチームはそのまま無視して練習ステージへ行ってしまった。 「な~んだか、おもしろくないみゃ~」 「そんなこと言ってないで、みんな同じ神姫センターの仲間でしょう?」 「あっちはそうは思ってなさそうだ。不倶戴天、敵意満々といったところ……」 白雪、歩き去った神姫たちに向け、無表情に中指を立てジェスチュア……びしっ! 白夜、同じくステージ入り口に向け、目の下に指を当て舌を出す……あっかんべー☆ 「……あっちはあっち、こっちはこっちよ。ほら、フィたちも早くしないとマネージャーに叱られてしまうわ」 相方ふたりの分かりやすい反応をやれやれと思いながら、フィシスは練習ステージへの入り口をくぐる。 歌や踊りでビジターを楽しませるブルーメンヴァイス。華麗な空中ショーでビジターを楽しませるアクロバットチーム。……どちらもセンターを訪れるビジターに喜んで欲しいという気持ちは、同じはずだ。 「そうよ。だったら、一緒になればもっと楽しいはずだわ」 小さく呟いた、その言葉をかみ締めながら、フィシスはゲートを抜けた。 『Over the Rainbow』(前篇)良い子のポニーお子様劇場・その2//fin 戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1866.html
鋼の心 ~Eisen Herz~ 第14話:ファンタズマ 「取り敢えずは、現状を確認しておくわよ?」 島田雅がそう言って一同を見渡す。 「まず、事の起こりは土方真紀。製作者である彼女がCSCにウイルスを仕込んだところから始まっているわ」 「うん」 そう言って頷くのは、彼女の弟である島田祐一。 現状で最も真相に近い位置に居る少年だった。 「目的は良く分からないけど、ともかく彼女はCSCにウイルスを仕込んで、全ての神姫を破壊する準備を整えた……」 実行犯である土方京子の言から、黒幕が既に死亡している彼女の妹、土方真紀である事は判明していた。 「―――で、死亡する前に彼女は、姉である土方京子にイレギュラーへの対処を任せたのだと思うわ……」 本人は既に死亡している為、不測の事態へ臨機応変に対応する人物を必要とする筈だと言う雅の推察。 それが間違いだと言う事に、雅が気づくのはもう少し先になる…。 「で、次にウイルスの事なんだけど……。村上君」 「はい」 雅に促され、村上衛が説明を引き継ぐ。 「フェータさんの修理時に得たデータから、ウイルスに関する情報が幾つか分かっています」 先の戦いで破損した伊東美空の神姫、フェータ。 彼女の中に、謎を解く鍵が眠っていた。 「まず、フェータさんの中には“あるプログラム”が仕込まれていました」 「プログラム?」 他ならぬフェータのマスターである美空が、問う。 「はい。ウイルスの発動を妨害するプログラムです……」 そう言って、村上は小さな結晶体を取り出した。 「……土方真紀が仕掛けたCSCのウイルスは、幾つかのプロセスを経て発動するタイプのようです」 「つまり、時間が来たらお終い。って言うタイプの時限爆弾じゃない、って事だよね?」 「はい、その通りです」 村上の返答により、祐一の中で『その仮定』がおぼろげながら、形を持ち始めていた。 雅たちとも、京子とも違う『真実』に祐一は誰よりも早く近付いてゆく。 「このウイルスは、何らかの条件を満たした時に起爆するタイプだと推測されます。そして、その条件の審査をある神姫が行っているらしい……。と言うことも分かっています」 「誰よ、それ? あの眼帯の女(ひと)が連れていた神姫?」 美空の推察に村上は首を振った。 「いいえ、違います。その神姫の名は―――」 「―――幽霊、でしょう?」 確めるように、間を空けて、リーナ・ベルウッドがその正体を言い当てた。 「噂なら、美空も聞いた事あるでしょ? 天海市の神姫センターに出現する13番目の神姫、幽霊」 天海市の神姫センターの目玉が12人もの神姫が入り乱れるバトルロイヤル。 そして、参加していない筈の13人目が現れ、強い神姫を撃破する。そんな噂が天海市のオーナー達には静かに浸透していた。 「つまり、土方真紀の仕掛けは、『幽霊が神姫をテストして、何かの条件を満たしたと判断したら、全てのCSCにウイルスの発動を命令する』って事だね?」 「そうです。それが恐らくは“土方真紀の”計画の全貌でしょう」 土方真紀、を強調して村上は続きを口にする。 「この事件をややこしくしているのは、黒幕である土方真紀と、実行犯である土方京子“以外”の人間の意図が混じっている事です」 「……つまり『フェータに妨害プログラムを仕込んだ奴』ね?」 リーナの推察は雅や村上と近い位置にある。 「そいつは計画を邪魔しようとしてるんでしょ? なら、味方?」 「少なくとも、土方真紀の計画の障害となっていることは確かでしょう」 村上衛はそう言ってメガネを押し上げた。 ◆ 「なるほど、単純かつ効果的な手段だな……」 「どうしました、マスター?」 土方京子とその神姫、カトレアがパソコンの前に居た。 あの夜、フェータから抜き出した“妨害プログラム”の解析が終了したのがつい先ほどの事。 その中身は意外と単純な仕掛けだった。 「つまり、これも一種のウイルスだ。ウイルスに対抗するウイルス、アンチウイルスとでも呼ぶか?」 「アンチウイルス、ですか?」 「そうだ、これは感染した相手のCSCを書き換えるタイプだな」 「CSCを?」 驚愕するカトレア。 CSCは神姫の中でも最も重要な器官だ。 それに干渉する事など不可能と言っても過言ではない。 「まあ、書き換えるのはたった一つの数字だけなんだがね……」 そう言って、モニターに映る数字の羅列を指差す京子。 「ここだ、CSCのバージョンの表記。ここを1,1から1,0に書き換えるのがこのアンチウイルス」 CSCのバージョンは現在1.0と1,1の2種類が存在する。 1,1は普及品として市販されている神姫に搭載されるもの。 そして、1,0は試作品として少数のみ製造されたもので、カトレアや他の姉妹を始めとする極僅かな神姫しか搭載していない。 「要するに、これはCSCバージョン表記を書き換える事で、感染した神姫を評価対象から外すと言う事だ」 幽霊の出現条件の一つが、対象がVre1.1のCSCを搭載している事だ。 つまり、このアンチウイルスに感染すると、『幽霊と遭遇する事』が無くなるのである。 「幽霊の目撃談、即ち遭遇数が減ったのはこのアンチウイルスに感染した神姫が増えたから?」 「ああ、このアンチウイルスは孫感染を引き起こす」 「孫感染?」 「要するに、このアンチウイルスの本体は、あのフェータと言う試作アーンヴァルに搭載されていた」 それを抜き出し、今は京子の手の中にある。 「そして、このアンチウイルスに感染する条件は―――」 ◆ 「対戦、する事?」 「そうです。フェータさんと同じバトルに参加した全ての神姫に、このアンチウイルスの劣化コピーを感染させるのです」 「フェータと対戦……。って事は、アイゼンも、レライナや……みんな、そうか?」 「そうです。まず、対戦相手はCSCのバージョン表記を1,0に変更されます。……そして、感染した神姫が、バトルで倒した相手のCSCも1,0に変更するんです」 倒すと言う限定条件がつくのは、アンチウイルスの容量の問題だった。 最初から射撃プログラムをダミーに、ある程度の容量を確保してあるマザータイプとは違い、感染したものにはノイズの様な僅かな要領を占有する事しかできない。 故に、倒した神姫の戦績更新に紛れ込んででしかCSCの書き換えが出来ないのだ。 「……って、事はひょっとして……」 フェータとアイゼンはかなり早い時期に対戦をしている。 つまり、アイゼンが幽霊に出逢った事がないのは、その時期からアンチウイルスに感染しており、CSCのバージョンが1,0に変更されていた為。 そして更に、天海市において幽霊の目撃談が減っていったのは……。 「アイゼンが、天海の神姫の大半と戦って、勝っているから、か……?」 つまり。 「じゃあ、アイゼンが天海の神姫たちにアンチウイルスを広めていた、って事?」 「そうなりますね。……もちろん、このアンチウイルスはCSCのバージョン表記を書き換えるだけです。その他の影響は一切ありませんので、チェックに引っかかる事もありません」 それ故に、天海市において幽霊の発生件数は減少して行き、今では他所からやってきた神姫がアイゼンや、他の感染者に負ける前に極僅かに遭遇する程度になったのだ。 「じゃあ、春先に遭遇例が多いって言うのは……」 「多分、オーナーの転勤や転校で新しい神姫がやって来るから、でしょうね」 それが、幽霊の出現律(*1)の真相だった。 「幽霊と遭遇することが無ければ、幽霊が神姫を審査する事もできなくなる。つまり、ウイルスは永遠に起爆しない。と言うわけです」 「でも、そのアンチウイルスの本体が京子さんに取られた、って事は……」 「そうですね。近い内に対抗策を出して来るでしょう。そうなれば幽霊が復活し、ウイルスの起爆条件の審査が再び始まる筈です……」 それはつまり、全ての神姫が終わりになる日が来るかもしれないと言うこと。 「じゃあ、どうすればいいのよ?」 美空の問いに祐一は壁のカレンダーを見た。 「8月15日、天海神姫センターに京子さんが来る……。そこで京子さんとあの四姉妹を倒すしかないと思う……」 「そうね、土方京子なら止めることも出来るかもしれないわ。勝負して勝てば、言う事も聞かせられるでしょう?」 「なるほど、じゃあ簡単だ。8月15日までに強くなればいいんだ!」 「そういう事」 祐一が頷き、美空が不敵に笑う。 そして、戦いの準備が始まった……。 「村上君、私からも一つ聞いていいですか?」 祐一達が帰った後、斉藤浅葱が村上の背に話しかけた。 「……この神姫センターで幽霊が出なくなった理由は分かりました。でも、他所の神姫センターは如何なんです?」 「あはは、それはですね。……リアルでバトルロイヤルをするシステムが、ココにしか無いんです。……土方真紀の知っている方式で神姫を制御するリアルバトルが、ね……」 元々、リアルバトルでバトルロイヤルをするシステム自体が稀だ。 そしてその殆ど、天海以外のシステムは、天海よりも新しい、土方真紀の知らないシステムで制御されていた。 つまり、幽霊が出現できる場所は、元々天海市の神姫センターで行われるバトルロイヤルだけだったのだ。 ◆ 回線が繋がった。 長らく訪れなかった戦の予感に、“彼女”は身を震わせ、己が分身を送り込む。 回線の先で、現実と架空の入り混じった戦場が“彼女”を呼んでいた。 ◆ 「……なんだ、アレは?」 黒い霞が戦場の真ん中に出現した。 バトルロイヤルも開始から15分以上が経過し、現在戦場に残っているのはいずれ劣らぬ歴戦の神姫たち。 その数5。 「……始めます」 薄れ始めた黒い霧の中、“彼女”の分身はそう呟いて、双刀を構える。 目標は眼前に居る、全ての神姫。 「……敵? エントリーリストに無いぞ!?」 「気をつけろ、コイツ、もしかすると……」 「……例の幽霊、か……?」 それが異常事態だと、即座に気付くほどの神姫たち。 銃を、槍を、剣を構え、イレギュラーな侵入者に全力の警戒を向ける。 だがしかし。 「……遅い」 言い終わる頃には、擦れ違ったツガルが胴を薙がれて果てる。 「―――!? 速い!?」 驚愕するフォートブラッグに迫り、刀で喉を貫く。 「……これで残り、3」 「―――こいつっ!!」 ようやく状況を理解したヴァッフェバニーが、手にしたガトリングガンで遅すぎる応射を行うが、当りはしない。 「無為」 懐から取り出した小刃三つを同時に投擲。 喉と腕と銃を正確に貫き、そのヴァッフェバニーも沈黙させた。 「ぅおぉぉぉぉ―――!!」 「―――征っ!!」 ストラーフとジルダリア。 残りの二人が武器を手に迫るが……。 「……奥儀『相刻』!!」 敵の繰り出す剣と槍、その双方を互いの方向へとずらす。 大した力も要らず、ただ迫る武器の横を押して軌道を変えるだけ。 それで。 ストラーフとジルダリアは、互いの武器をまともに受ける事になる。 「―――馬鹿な!?」 「…終わりです」 装甲の差か、生き残ったストラーフを自らの刀で両断し、“彼女”は息をついた。 「……なるほど。これは、中々です」 空、作り物の虚像を見上げながら、“彼女”は己が主を思う。 「……主よ、貴女の想い願ったものの到来は、そう遠くはなさそうです……」 かすかに微笑み、“彼女”は黒衣をはためかせ、虚空に解けるように消えて往った。 分身は消滅し、戦績だけが“彼女”の本体へ送られる。 条件の大半は既に満ちた。 後は。 数だけだった。 第15話:リ・インフォースにつづく 鋼の心 ~Eisen Herz~へ戻る ややこしいよ(怒)。 いや、我ながらひでぇ話ですが、伏線が複雑すぎて伝わるかどうか不安ですなぁ…。 まあ、極論言えば戦うしかないんですが……。 と言う訳で、次回からはようやくクライマックス前の最大のイベント、大会編です。 バトルロイヤルとトーナメントで行われる天海最強神姫の決定戦。 祐一、美空、リーナ。 雅、村上、斉藤先生。 そして京子さん。 他にも強い神姫が目白押し……、と言うほど居ないですが。 メインキャラ以外でも、最低3人は強いのが出てくる予定で…。 過去に戦ったアイツもパワーアップして再登場。 そしてメイン神姫たちのパワーアップは如何に!? 次回にご期待下さい。 ALCでした。 -
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/637.html
國崎技研商品カタログ ここでは、作品中に出たオリジナル商品の細かい説明をします 移動式ヴァーチャルバトルシステム「コロセウム」 イベント会場等でヴァーチャルシステムの無い場所で神姫バトルをする場合に用いられるシステム 4組のマスターシートを備えたエントリー車と、大型モニターと大規模バトルシステムを備えたサーバー車から構成される (マスター席にはマスターシートとヴァーチャルポッド、そして簡易メンテナンス設備が備わっている。エントリー車だけでも1vs1、2vs2、4姫バトルロイヤルが可能。この場合ギャラリー用モニターは別に用意する) サーバー車には最大8台のエントリー車を管理する事が出来、最大32姫での様々な設定のバトルが可能 通常のオンライン対戦ネットワークとの接続も可能 3Dフィールド形成式訓練装置「パンゲア」 (「武装神姫飛鳥ちゃんエウクランて」に登場) 本体(親機)・4本の支柱・専用ダミー武器・専用ターゲットからなる神姫用バトル訓練装置 支柱を平滑な所に設置、その中に立体映像と投影しバトルフィールドを形成し、その中でダミーと模擬戦をするシステム ターゲットとだけでなく、実際に神姫との模擬戦も可能 支柱は4m程度まで伸びる為、結構広い空間を構築する事が出来る(最低でも3.6x2.4x1.5程度の空間が必要) 形成されたフィールド内では特殊シールドにより実際に障害物等への接触まで再現される 実際に神姫がダメージを受けるわけではない為バトルが始まった頃は重宝されたが、後発の安価かつ場所を取らないヴァーチャルシステムに押され、現在はあまり使われていない が、実際に体を動かす為、実戦感覚を付けたい一部ファーストランカーや、バトルをしない神姫達のストレス発散に使われる事も多い 白雪姫シリーズ 國崎技研が進めていた神姫の換装可能な部分への代替えシステムの名称 量産性を重視している基本フレームを変更し、神姫そのものの性能を向上させようというもの 基礎フレームの変更・駆動モーターの変更・バッテリー及び放熱システムの変更といった3ステージで構成される(駆動モーター変更はフレーム変更が前提条件となる) ただし非常に高価で普通の人にはとても手が出せない フレーム素材の選定が進まず(重量、強度、柔軟性のバランスに苦慮した)計画は頓挫していた為、それを打破する為に水那岐は新しい人材を確保し、計画を進展させた 特に強度・柔軟性の目標値をクリアしながら素体そのものの放熱性の15%の向上、30%の軽量化を果たした香田瀬氏の功績は計り知れない その高い完成度は金に糸目を付けないファーストランカーに注目され、計画は大成功を納めた 現在はそれの廉価システム『白雪LMシリーズ』を発売し、一般ユーザーからも注目されている 白雪LMシリーズ 非常に高価な白雪姫を気軽に使用できるようにと開発された廉価版 基礎フレームのみの構成だが、強度型、軽量型、バランス型の3種類がある 部位毎に販売されており、足は強度型・本体はバランス型・腕は軽量型等、部位毎に必要な強度を選べる仕様になっている どのフレームでもノーマルよりも軽量高強度となっており、余計なセッティングの必要も無い為使いやすい 価格もグっと押さえられ(それでも1部位でも神姫よりも高い)、セカンド以下ばかりでなく、ファーストランカーにも2姫、3姫目などにも用いられる 『タブリス』シリーズ 通常素体からのステップアップ入門として開発された素体 従来の素体よりも可動範囲の広いMMS2ndをベースに作られている MMS2ndには、胸部及び脛部に互換性が無いといった弱点があったが、『タブリス』は通常ジョイントへと仕様変更されており、従来のパーツがそのまま使えるのが特徴 フレームには白雪と同じ素材が使われており、強度・放熱製が高められている。各駆動部は従来品と同等品だがライトチューンが施されており、若干ながら出力アップが図られている。それに伴い電力消費も多くなってしまったが、新型バッテリーを搭載する事により従来と同じ活動時間を確保した 性能的には白雪LMより下だが、価格が神姫2体分程度にまで抑えられ、コストパフォーマンスの高い素体となった ふれあいツール「赤ずきんちゃんご用心」 愛澤が提唱する「神姫と人とのコミュニケーション」を実現させる為のツール ぶっちゃけ「えっちする為の玩具」 問題があった乙型を諦め男性器を模した甲型を発展させた 女性器を模した親機・男性器を模したセンサー部・それを繋ぐケーブルと、センサーを固定し神姫への挿入をサポートする固定部(テスト版は貞操帯のようにガッシリした物だったが、製品版ではいわゆる紐パン状の物も追加され、2種セットとなっている)で構成される 親機とセンサー部は互いにリンクしており、それぞれが受けた刺激を忠実に再現し相手へと伝える事により、性交をしているかのような体験が出来る 親機内に放出された精液をセンサー部へと送り込み放出する射精機能が装備されている(量は神姫に合わせ、1/8~14程度に自動調整される) 「あくまでも同時に自慰をする道具」としてネット通販されたが、結構高額であるにもかかわらず注文が殺到した。 ちなみに専用充電器にセットすれば自動洗浄されるスグレモノだったりする 家事用外骨格「ヘンデル」 神姫が人間用の道具で家のお手伝いをする為の大型ツール。体長約60㎝ バトルでは規格外の出力な為使用出来ないが、ちいさな子供の手伝い程度の炊事洗濯お掃除を行うことが出来る 神姫用システムキッチン「グレーテル」 神姫用のシステムキッチン。オーブンレンジと冷蔵庫も組み込み済み 主な用途はお菓子作り。 小道具やレシピ集もセットされている「スターターセット」もある 限定セットにはセットオリジナルカラーのシェフ服とウェイトレス服が付属(限定100セット) 鳳凰カップ仕様には通常スターターセットに鳳凰カップ限定のメイド服が付属(販売されない為、6着しか存在しない) フレキシブルアームシステム「テンタクルス」 バトル用支援システム 10本のフレキシブルアームと専用バッテリーを持つ汎用攻撃支援システム 各アーム毎にオートモードとマニュアルモードを選択する事が出来る オートモードにすれば攻撃・防御・待機の3種類の命令を出すだけで良いので神姫の負担を軽減しながら能力の向上が期待出来る。但し、簡易AIなので過信は禁物 全てのアームには展開式のハンドが付いており、武器や盾等を装備させることが出来る テスト時に発覚した非力さをカバーする為に、2本のアームが大型化された。それは通常アームの3倍の太さになり、1本だけでもフル装備のサイフォスクラスをも軽々と持ち上げる事が出来る。コレで締め上げるだけでもダメージを与える事も可能 その分、バッテリーの消費が多くなった為、活動時間が短くなってしまった ※えっちな使い方はサポート外になるので注意 ミラージュコロイド ※この技術は神姫の父さんの橘明人とかしまし神姫たちの日常日記とリンクしております まだ試験中な為、一般には流通しておりません 以前から理論のみ存在していた物を、『鳳条院グループ』との共同開発により実現した技術 特殊コロイドを磁場で表面に定着させ、光学的にほぼ完璧な迷彩を施す また特殊コロイド自体の特性により、レーダー波を吸収し電磁的にも隠れる事が出来る ただし、赤外線は通してしまうので、神姫からの廃熱が赤外線センサーで探知されてしまう 國崎技研側では『ミチル』に試験導入して実地テストを行っている 特殊コロイドを散布しそれに虚像を浮かび上がらせる機能も有する。ただし、投影時間は短い ちなみにデータさえあればどんな映像でも可 鳳凰カップ終了時で國崎技研側でのテストは一通り終了した 陽電子リフレクター 従来のビームシールドを発展させ、ビーム攻撃のエネルギーのほぼ100%を文字通り跳ね返す技術 この技術自体は以前からあった物であるが、その大きさと膨大な消費電力から神姫バトルで使用する事は出来なかった 現在それを小型化・省電力化して、ミチル(ジャガー)により試験運用が行われている 神姫用ふれあいツール「あなたも狼に変わりますか」 神姫用外付疑似陰茎ユニット 見た目は普通の神姫用性具だが、(根元)部分を神姫の膣へと挿入することによって密着・変化し、神経部に干渉して陰茎としての役割を行う装備 解りやすく言えば、神姫への負担無く男性生殖器を形成するユニット 自身に電源は装備されておらず、神姫から給電を受ける ラバースキンの外装に、骨材としてマッスルファイバーを用いており、通常時を収縮形態とし電気信号によりファイバーが伸びる そうして出来た隙間に神姫より採取したオイルを注入し怒張を形成・維持する。その為、神姫がある程度オイルを出していないと使用出来ない 電磁吸着技術により、神姫の膣壁及び陰核に吸着すると共に感覚に作用し、ユニットが受けた刺激を神姫へと伝える 神姫の意志、もしくは専用ケースに付いているスイッチにより収縮させる 万一の異常を検知した場合はスイッチが切れ、電磁吸着が解除されると共にファイバーがゆっくりと収縮し、取り外す事が出来る 膣内に残った部分に、本体の神姫が分泌したオイルを貯め、絶頂時に放出する機能を備える 専用ケースに入れPCにセットする事により、各種設定の変更が可能(ドライバのインストールが必要・大きさ、太さ、感覚LV、放出オイル量等を変更可能/但し異常値への変更は不可) 本来は神姫特有の症状の為に開発された一種の医療機具である 『M-collection』 國崎技研技術部5課所属「三都衣 太牙」によるブランド 戦闘用コスチュームではない為、着心地・デザイン共に同社の物より優れている 男目線から作られている為やや傾向が偏っているが、それが男性オーナーや一部神姫達の注目を集める結果となっている
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2831.html
ぶそしき! これから!? 第0話 『トモダチ』 0-2 「着いたー」 自転車で行くこと15分ほど、今回の目的地の神姫センターに到着する。 入るとまず目につくのは大型のモニターだ。 新しいゲームのCMや、バトルで神姫が戦っている様子が映し出される。 改めて周りを見渡すと、大勢の人に各種のゲームに幾つもの神姫のバトル用の大型筐体、そして武装神姫の素体やパーツなども売られている広い販売コーナーが目に入る。 「おー……」 ふと筐体の映像に目を見やると、闘技場らしき場所で凶悪な手脚そして重装甲の青髪の神姫と鎧を身にまとい大剣を持った神姫が切り結び、激突する様が見られる。 別の筐体では、荒野の空に舞う神姫の姿が見える。 大きなウイングユニットを背負い、手に持った長大なレーザーライフルで他の神姫達を撃ち落としていく白い神姫の姿が映る。 どことなく似たような雰囲気の装備を身に纏い、緑の剣と赤の剣で切り結ぶ白と黒の神姫の姿も見える。 そんな幾つものバトルの様子が少年の目に映る。 「――あ、いけない」 思わずバトルに目を奪われるが、本来の目的を思い出して販売コーナーに向かう。 「う~ん……」 少年は棚を見渡しながら移動する。 神姫のパーツが単品で売られているコーナーを抜け、神姫用の服やアクセサリーなどがある場所に出てしまう。 色々と目移りしてしまうが、目的地はパーツの所ではない。 そうしていると、上から声がかけられる。 「お客様、なにかお探しでしょうか?」 「え?」 視線を上に向けると、そこにはフライトユニットを装備して、風に吹かれる風船かなにかのように穏やかに飛んで来る金髪の白い神姫がいた。 少年の近く、目線の位置まで来るとそこで静止し、高度を維持する。 「天使型MMSアーンヴァルのアリシアと言います。この神姫センターの店員神姫の1人です。 お客様、なにかお探し物がありましたら、ご案内させていただきます」 ぺこりと一礼し、にっこりとした営業スマイルで自己紹介と少年に提案する神姫のアリシア。 その提案に思わず頷いてしまう。 「あ、その、武装神姫があるところを探してる……んです」 「分かりました。こちらにどうぞ」 アリシアが場所を案内してくれる。 まずは武装と素体が一緒になったフルセットの棚に向かう。 「……」 アリシアの先導にしたがって行く。 少年はなんとなく気まずさを感じて、話しかけてみる。 「え、え~と、あのさ……」 「はい?」 「武装神姫ってバトルでレーザーや弾を撃ったり、剣で切ったりしているけど、もしかして子どもが買うのは危険だったりする?」 先ほどのバトルを見て、思いついた話題を振る。 そんな話題を振られたアリシアは、ニコニコとした営業スマイルのままだ。 「いえ、そんなことはありませんよ。もしよろしければ、少し長くなりますが説明させていただきましょうか?」 「あ、うん。頼むよ」 アリシアが少年に向き直る。 そして、小さな先生が生徒に授業をするかのように説明を始める。 「武装神姫はロボット技術の結晶とも言える商品です。 心と感情を持ったフィギアロボットであり、人間のパートナーです。ソフト面でもハード面でも安全なように考慮されています。 もちろんマスターとなった方に尽くしますし、倫理プログラムで人間に危害を加えることはありません 武装も銃弾などはあくまでゲーム上のエフェクトですし、剣も切れるのはヴァーチャルバトルの中だけで、実際には切れるような刃は付けられていません。 ここまでよろしいでしょうか?」 「う、うん」 「神姫バトルは、バーチャルとリアルがあります。 リアルも神姫センターなどで行われるものはルールにのっとって行われる健全なゲームであり、言わばマスターと神姫達のスポーツのようなものです。事故がないよう、日々努力と改善が行われた結果、今の神姫バトルがあります」 「うん。武装神姫が危険なものじゃないことは分かったよ」 アリシアの説明を聞いて、少年は武装神姫のことについて少し理解できたように思う。 そんな少年を見て、アリシアはもう少しだけ説明を続ける。 「ありがとうございます、お客様。もう少しだけ続けますね。 神姫のマスターの中には、さらに刺激を求めて通常のルールに縛られないストリートバトルを行う方々がいます。これは勿論危険ですので、もし誘われるようなことがあっても参加しないでくださいね。なにかあったら悲しむのは、マスターやその神姫ですから」 「……」 思わず黙り込んでしまう。 最後の一言に、少年はなんとなくアリシアの真摯な想いのようなものを感じる。 「長々と申し訳ありません。……あ、案内を再開しますね」 「う、うん。ありがとう」 ニコニコとした営業スマイルのアリシアを追う。 「ここです、お客様」 アリシアの案内で目的の場所に着く。 「……う~ん」 棚に置かれた商品に目をやり、その値札を見て少年は思わず腕を組んで唸る――高い。 高いだろうとは思っていたが、想像していたものよりさらに1つ桁が多い。 「お客様、なにかお困りですか?」 「あ、うん……武装神姫って高いんだね……」 声をかけてきたアリシアに思わず、素直に困っていることがこぼれ出ててしまう。 そんな言葉を聞いてアリシアも少し困ったように笑う。 「あ、あはは……、そうですね。 武装神姫はフルプライスですと、良いパソコンと同程度のお値段になります。 お客様位の年齢ですと、ご両親やおじいちゃん、おばあちゃん、年上のお兄さんお姉さんなどに買ってもらうことがほとんどです。中には、お年玉とお小遣いなどを貯めて買うツワモノな方もいますけど」 「そ、そうなんだ……」 アリシアの説明を聞いて、武装神姫を買うのは、やっぱり難しいのかなーと思ってしまう。 「武装抜きの素体だけなら、もう少しお求めやすいお値段になるのですが……」 「う~ん、ちょっと安くなったぐらいじゃ……」 アリシアは少年の様子を一見する。 やはり、手持ちでは購入は難しかろうと見切る。 「失礼ですがお客様の年齢ですと、武装神姫の購入には保護者同伴か、同意書が必要となります。 購入の際にはご家族とのご相談が必要かと思います」 「え、そうなの?」 聞き返すお客様に、アリシアはさらに話を続ける。 「ご家族様に相談する前に、どんな神姫が良いか決めておくとお話しやすいかと思います。 なにかご希望の神姫はございますでしょうか?」 「そうだなぁ……」 営業スマイルを崩さず、悩むお客様をアリシアは見つめる。 「……分かんないなぁ。え~と、アリシア、さん。何かオススメはありますか?」 少し考え、具体的なイメージがわかず、少年はよく知っているだろう相手に尋ねる。 「アリシアでいいですよ、お客様。 でも、そうですね。神姫をおすすめするならば――」 一拍置く。しかし、それは逡巡によるものではなかった。 「――天使型MMSアーンヴァルがいいと思います!」 ドンと擬音がつきそうな位に言い切るアリシアさん。 営業スマイルのままだが、なにか妙な迫力を感じさせる。 「性格は真面目でマスターの言うことをよく聞く、従順で良い子たちです。愛情を注いであげれば素直に応えてくれます。 武装は高機動空戦型で、飛べるのはバトルでも日常生活でも大きなアドバンテージです。日常生活でも使えるフライトユニットはお高いですけど。 武器は近接戦のライトセイバー、近距離のハンドガン、中距離はマシンガン、遠距離は強力なレールガンにレーザーライフルとオールラウンダーでどの距離にでも対応できます。武装神姫の初期に販売されたものですが、アップグレードを繰り返されていますので最新のものに見劣りすることはありません。 初めて神姫を持つ方にとてもオススメです!」 笑顔のまま一気に説明し切るアリシアさん。 その勢いに押される少年。 「……あ、あれ! あの神姫についても教えてよ!」 直感的に話を変えた方が良いと思った少年は、公園で見た神姫と同型と思われるパッケージの説明を求める。 「あ、はい。あれは猫型MMSマオチャオです。 性格は一言で言えばネコです。 自由気ままでハイテンション、一緒にいると騒がしいけど元気になれる。そんな神姫です」 アリシアはまずは性格面での説明を行う。 今度は少年の様子を見ながら説明を行う。 「武装はクローにナックル、そしてドリルの近接戦特化の仕様です。 相手に近づいて殴り倒すという、単純明快なコンセプトがバトル初心者の方にもわかり易いです。 サブウェポンのプチマスィーンズを使ってのトリッキーな戦い方もできますけど」 今度は武装面での説明を行う。 「武装とその性質に癖はありますが、その性格で子どもの遊び相手に人気の神姫です。 中にはペット代わりとして、購入されるお客様もいます」 最後に総評して締めくくる。 今回は相手の反応を見ながらの説明のためか、神姫について初心者の少年でも理解しやすかった。 「へえ、あの時見た神姫ってマオチャオって言うんだ。……確かにテンション高かったなぁ」 少年はふと、見上げて公園で会った神姫のことを思い出す。 今アリシアに説明されたのとイメージが一致する。 「……ん?」 ちょうど上の棚が目に入る。そこにはアーンヴァルのものとは違う、鳥のような翼を持った神姫の姿があった。 「ねえ、アリシア。あの神姫なんて言うの?」 「はい、あれはセイレーン型MMSのエウクランテです。 武装が格好よくて、しかも合体変形機能付きで男の子に人気です。 性格も真面目な良い子ですよ」 少年の興味を持った神姫の簡単な説明をするアリシア。 この後、少年は他の神姫もアリシアに説明してもらい、最後には神姫購入のための保護者同意書の用紙ももらった。 ――少年が神姫のマスターになるまであと23時間 前へ / 次へ トップページ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/502.html
「無茶苦茶なコンセプトだな。私が言うのも何だが……正気とは思えんぞ?」 「店長にもそう言われました」 「だが、そこまで否定されてもやる気なんだろう?」 「そっちのほうが面白そうですから」 「……気に入った。調達してやろうじゃないか。連絡先は日暮の所で構わんか?」 「あ。携帯の番号でもいいですか?」 店の奥から静香と店長が出て来たのは、私とロッテの話がひと段落した時だった。 「終わったんですか? 静香」 「ええ。晶さんのおかげで、目処がつきそう」 店と言っても、いつものエルゴじゃない。静香と一緒に出て来た店長も、エルゴの日暮店長じゃなくて、こど……。 「……ココ。それ以上言ったら、マイスターの膝が飛びますの」 「神姫に対しても容赦無しですか」 人のモノローグ読まないでくださいロッテ。 「いくら私でも、そこまで情け無用じゃないぞ?」 うわ聞こえてた。 とにかく。 ここはエルゴじゃなくて、秋葉原のMMSショップ『ALChemist』。静香の隣にいるのは、ALChemistの店長さんこと槇野晶さんだ。 静香と並ぶと姉といも……っと。これ以上言うのも問題がありそうなので、このくらいにしておく。 「賢明な判断だ」 だからモノローグ読まないでくださいって。 「とりあえず、イメージ通りの物が出来そうよ」 「新兵器……ですか?」 それは、私が望んだ『遠近両用で使えて、空も飛べる装備』のこと。いつものことだけれど、静香はその全貌はおろか、概要されも話してくれていない。 「ココが宿題の答えを出してくれたら、すぐにでも使えるんだけどなー」 私は静香から、ひとつの『宿題』を出されている。 『静香が私に何をさせたいか?』 それの答えが分かるまで、新装備は使わせてはくれないのだという。 「……」 宿題を出されて既に半月が過ぎた。 静香は椿さんのスーツを納品し、私は武装トランクで新しい戦い方を模索していたけれど、宿題の答えだけは見えてこない。 私の『静香は私にドキドキハウリンをさせたい』という考えは、完全な的外れだったようだし。 「そうそう。近くに面白いお店が何軒かあるから、帰りに少し回っていきましょう」 私がこんなに悩んでいるのに、この人は憎らしいほどいつも通り。 まったくもう。誰が私とそっくりなんですか? 静香。 「ほぅ。どこに寄るつもりだ?」 晶さんの問いに、静香は私の知らない、いくつかのお店の名前を口にしていた。三つ目あたりを過ぎたあたりで、晶さんの顔が渋るような、困ったような、微妙な表情に変わっていく。 片手を上げて遮ったのは、五つ目だった。 「もういい。十分だ。アレの話を聞いたところで予想は付いていたが……貴様の趣味は良く分かった」 そう呟いて、ため息を一つ。 「……?」 静香の趣味だから、相当変なセレクトだったんだろう。まあ、いつものことだ。 「じゃ、行くわよ。ココ」 いつものトートバッグを取り上げて、静香は外へと歩き出す。 「はい。またね、ロッテ」 私もその後を追い、私の定位置へともぐり込んだ。 「またですの。ココちゃん」 静香の顔が見える、サイドポケットへと。 魔女っ子神姫ドキドキハウリン その15 お昼ご飯を武士子喫茶……武士子喫茶というのは、紅緒みたいな甲冑を着た人間の女の人がウェイトレスをしている軽食屋のことだ。私には理解できなかったけど、今の秋葉原の『最先端』らしい……で済ませ、私達がやってきたのは秋葉原の外れにある小さなお店だった。 秋葉原に林立する雑居ビルではなく、ログハウス風の、喫茶店を改装したような建物だ。 「静香。これ、何て読むんですか?」 入口に掛かった大きな木製の看板には『真直堂』とある。 しんちょくどう? 「ますぐどう、って読むのよ。ごめんくださーい」 静香は何度か来たことがあるらしい。慣れた様子でドアを押せば、カランとベルの音が鳴る。 「ここ……」 足を踏み入れた瞬間、木と布の匂いがした。 周りを見れば、ずらりと並んでいるのは神姫サイズの服と家具。店の隅の方には、見慣れたアクリルケースや金属缶も置いてある。 神姫素体や神姫用オイルまで置いてあるここは……。 「神姫ショップ……ですか?」 品揃えだけ見れば間違いない。 けれど、私は疑問符を外すことが出来なかった。 エルゴ、ALChemist、駅前の神姫センター。神姫ショップには必ずあるはずの物が、見当たらなかったからだ。 対戦筐体じゃない。それよりも必須と言うべきあれが、ここには一つもない。 「ちょっと違うけど、まあそうね」 静香の答えも、私の疑問を解かすには至らなかった。 木と布、プラスチックとオイルの間を進んでいけば、やがてカウンターが見えてくる。 「やあ、君か」 そこにいたのは、大柄な男のひとだった。 エルゴの店長さんよりは少し年上だろうか。もしかしたら、ヒゲのせいでそう見えるのかもしれないけれど。 「お久しぶりです」 どうやら静香は彼とも顔見知りのようで、軽く頭を下げてみせる。 「静香、お知り合いなんですか?」 「ココは初めてだったかしら? TODA-Designでお世話になってる、武井さん」 もちろん、初めてだ。 けれど、TODA-Designは静香の個人ブランドのはず。師匠は別にいるし、それ以外にお世話になっているということは……答えは一つしかない。 彼こそが静香の服を量産している『業者さん』なんだろう。 「ココです。いつも静香がお世話になっています」 サイトポケットからカウンターに降りて、丁寧に頭を下げる。 「そうか。君が……ココか」 「?」 武井さんの言葉に、私は首を傾げた。 不本意だけど、ここでドキドキハウリンの名前が来るなら分かる。何というか、アレの知名度の割に、私の本名は知られていないのだ。酷い時には、私の本名がアレだと思っている人もいるくらいで……。失敬な話というか、正直泣きたくなる。 ……話が逸れた。 「私に、何か?」 武井さんの目つきは、どこか不自然だった。 いやらしいとか、気持ち悪いとか、そういう悪い感じじゃない。どちらかといえば、私を見て懐かしむような、優しい雰囲気だ。 私とは初対面のはずなのに、どうしてだろう。 「……いや、エルゴでモデルやってる神姫がいるって聞いてたからね。どんな子か気になってたんだ」 「そう、ですか」 本当にそれだけなんだろうか。 でも、今の武井さんはごく普通の男のひとだ。さっきまでの懐かしむ視線はもうどこにもない。 「では、改めてはじめまして。武井隆芳です。こっちは、僕の神姫のタツキさん」 その言葉に、カウンターの上にある揺り椅子に腰掛けていたドレス姿のツガルが、軽く頭を下げてくれた。 「本当はもう一人いるんだけど……」 「彼女は二階ですか?」 「うん。仕事中だろうから、また後で紹介するよ」 仕事をしてる子なんだ。すごいなぁ。 そんな事を思っていると、さっきのドレス姿のツガルがこちらに寄ってきていた。 「よろしくね、ココ」 ドレス姿に合わせたファッションなんだろうか。ツガルのトレードマークのツインテールが、左だけしかない。 「よろしく、タツキ」 伸ばされた手をそっと握り返せば、柔らかい笑顔。 「ココ。あたしは少し、武井さんと話があるから。タツキ、ココを案内してくれるかしら?」 「ええ。任せて」 静香の言葉にも、穏やかに微笑み返す。 私の知っているツガルタイプは勝ち気で尖った性格の子が多いけど、タツキはそれとは対照的なおっとりとした子だった。どちらかといえば、アーンヴァルに近い気さえする。 「戸田君がいる君には必要ないと思うけど……お客もいないし、ウチの商品もゆっくり見ていってくれ」 「はい、ぜひ」 そして、静香は武井さんと二階へ上がっていき。 一階の店舗には、私とタツキだけが残された。 長手袋をはめた細い手が、ハンガーに掛けられた服をすいと採り上げる。 「まだ寒いから、長めのコートなんかどうかしら? ココももう少し可愛い色のほうが似合うわよ。きっと」 「可愛い色、ですか……」 そういうの、苦手なんだよな……。 タツキはふわふわのドレスを嬉しそうに着ている辺り、可愛いのも平気なんだろう。 「そういえば、TODA-Designの服ってもっと可愛いのが多い気がしたけど……ココの服は、何て言うか……随分地味なのね?」 機能的って言ってください、タツキ。 それにこのモスグリーンのコート、気に入ってるんですよ? 「可愛いのって、あんまり好きじゃないんですよ。ひらひらとか、動きにくくありません?」 「ああ。そっちが好みなんだ」 はいと答えながら、渡された淡い桜色のコートをフックへ戻す。 「じゃあそれ、静香のオーダーメイドなんだ?」 「ええ。まあ」 静香が私にくれる服の半分はエルゴで売る商品の試作品だけど、残りの半分は専用に作ってくれる。もっとも、専用の大半はレースやフリルがたっぷり付いた可愛すぎる服なんだけど。 あの人の場合、私の服の好みを分かっててやってるからなぁ……。 「武井さんはタツキの服は作らないんですか?」 私の問いに、タツキは苦笑い。 「その代わりに、この店の服は全部私のだから」 あー。言っちゃいましたね。 「まあ、縫製工場の管理とか、こっちでの販売とかデザインとか、オーナーも色々忙しいし。なかなか私やお姉ちゃんのためだけってわけにもねー」 「なるほど……」 プロでお店の経営もするとなれば、色々とする事が多いんだろう。学生兼業とはいえバイトの身分である静香とはかなり状況が違うらしい。 「じゃ、こっちのジャケットは?」 次にタツキが取ってくれたのは、淡い草色のジャケット。 「ああ、そのくらいなら……」 そんなに派手じゃないし、割と好みのデザインだ。 「あれ? この服」 タツキから受け取ったところで、気が付いた。 「どうかした?」 「これ……防弾繊維、使ってないんですね」 静香の服よりも手触りが数段柔らかい。 神姫産業の恩恵で、対刃・対弾性能を併せ持つ防御素材も驚異的に薄く、柔らかくなった……らしい。とはいえ小さな神姫の服に装甲素材を組み込むわけだから、服の肌触りは木綿や絹に比べて当然悪くなる。 私はあの少し硬い感触が好きだから、普段も結構着るのだけれど……戦闘用とおしゃれ用を完全に切り分けている神姫も多いという。 「この店の服はバトル用じゃないからねー。外の看板、見なかった?」 私の言葉に、くすくすと笑うタツキ。 「看板……」 真直堂って書いてあった、あれですか? 「神姫だけじゃなくてね、ドール全般専門のお店なのよ。だから神姫ショップって付いてないでしょ?」 ああ。そうか。 だからこの店には、木と布とプラスチックはあっても、鉄……即ち、武装は売っていないんだ。 「まあ、最近は神姫の服を買いに来るお客さんが一番多いんだけどね」 確かにタツキを見ても、武装神姫といった雰囲気は微塵も感じられない。 「タツキはバトルはしないんですか?」 私の質問にも、笑顔ですぐに答えが来る。 「みんながする分には否定はしないけれど……私は殴り合うより、みんなでお茶したり、可愛い服を沢山着る方が何倍も楽しいわね」 戦っていても、お茶をすることは出来る。戦っていても、プライベートで可愛い服を着ている神姫は沢山いる。 戦う神姫を喜ばせるため、可愛い服を着せたいと願うマスターも、沢山いるはずだ。 「……あ。戦闘兼用服のモデルさんに言う台詞じゃなかったわね。ごめんなさい」 「いえ、気にしないでください」 タツキの言葉に悪気はない。腹も立たない。 ただなんとなく、『勿体ないな』という感想だけが浮かぶ。 そんな事を話していると、玄関のベルがカランと鳴った。 「いらっしゃいませー!」 「いらっしゃいませ!」 ……あ。ついいつものクセで。 「ふふっ。今日はココはお客様でしょ?」 もう。そんなに笑わなくても良いじゃないですか、タツキ。 「今日は賑やかだねぇ」 入ってきたのはスーツ姿の男のひとだった。 糊の効いたシャツに、品の良いネクタイ。どこからどう見ても、これから仕事に出掛けるビジネスマンだ。 「今日は遅かったんですね。お休みかと思ってました」 「ああ、午前中は営業先に直行だったからね。一度家に帰って、これから会社でひと仕事さ」 慣れた手つきでカウンターにカバンを置き、フタを開ける。このカバン、どこかのブランドの最高級品だったはず。 近所のオフィス街の人なのかな? 「こんにちわ。タツキ」 「ご機嫌よう、ベルベナ」 でも、最高級のカバンの中から出て来たのは、なぜかヴァッフェバニーだった。 一流のビジネスマンが神姫オーナーっていうのは、エルゴでもよくある話だけれど……。 「それじゃ、みんなに迷惑掛けるんじゃないぞ? ベルベナ」 「イエス、マスター」 そのベルベナをひとり残し、ビジネスマンは真直堂を出ていった。これから会社に戻って仕事をするんだろう。 「それじゃベル、二階に行っててくれる? 私、お客さんの相手をしなきゃいけないのよ」 「ええ。大丈夫ですよ、タツキ」 タツキにもベルベナにも、いつものことらしい。軽い様子で、ベルベナは静香達が消えていった二階行きの階段へ向かう。 「……二階に何があるんです?」 「あら。気になるなら、行ってみる?」 もちろん、私に選択肢は一つしかなかった。 その光景に、私は目を疑うだけ。 「ようこそ、こびとの靴屋へ」 真直堂の二階は、巨大な縫製工場だった。 次々と断ち切られる布、唸りをあげるミシンの群れ、驚くべき速さで仕立てられていくドール服。 それだけなら驚くに値しない。 驚くべきは、その全てを神姫が行っている、という一点だった。 それはまさしく、絵本で読んだ『こびとの靴屋』と形容するのが相応しい光景だろう。 見れば、さっきのベルベナも他の神姫達に混じって布の裁断に加わっていた。裁ちバサミではなくハグタンド・アーミーブレードを使っているあたり、らしいといえば……らしい。 「この神姫達は……?」 私の頭に浮かんだのは、神姫レンタルブースの事だった。あそこの神姫達は、捨てられていた所を…… 「全員アルバイトよ」 ……は? 「アルバイト!?」 神姫が、アルバイトですか? 「エルゴに神姫の学校ってあるじゃない。あれと似たようなものよ」 「はぁ……」 神姫オーナー最大の悩みといえば、今も昔も変わらない。自分がいない間、神姫の面倒を誰が見てくれるかの一点に尽きる。 私のように静香のお母様がいたり、隣にジルがいたりすればいい。一人暮らしのマスターが寂しがりの神姫を一体だけ買ってきた、というケースは数知れず。 そこの需要を直撃した神姫の学校は、成功を収めたわけだけれど……。よりにもよって、バイトですか。 「ウチの店って、前は神姫の預かり所も兼ねてたのね」 「はぁ」 どうやらこの広いスペースは、その時からの物らしい。 「でもそれじゃ、オーナーの手間ばっかり増えてね。だったら、みんなでオーナーを手伝えばいいじゃない、って事になったのよ」 確かにフロアは明るいし、みんなおしゃべりしたり、歌を歌ったりしながら楽しそうに仕事をしてる。少なくとも、働かされてる、って感じはどこにもない。 「手伝いに入る時間はマスターの都合に合わせて自由。まあ、そのぶんバイト代はそんなに出せないけど……私達の維持費の足しくらいにはね」 「……じゃあ、裁縫の出来ない子は?」 もしかして、面接なんかもあるんだろうか。 それはそれで、何か違う気がする。 「別に、縫製だけが仕事じゃないもの。最低、近接武器がちゃんと使えれば仕事はあるしね」 よく見れば、フロアにいるのは裁縫や裁断をしている神姫ばかりじゃなかった。 試作品の服を着て走り回るマオチャオや、大鎌で家具用の材木を叩き斬っているハウリン、まかないらしき料理を作っているアーンヴァルもいる。 「あのマオチャオは、耐久テストですか」 「さっすがモデル経験者」 静香にもよくやらされますから。 ……なるほど。本人は遊んでるつもりでも、ちゃんと周りの役に立っているわけだ。 近接武器は、武装神姫なら使えない子はいないし。素材を高精度で斬るのはそのまま実戦訓練にも繋がるから、バトル系の神姫でも嫌がりはしないはずだ。 「それにみんな覚え早いしね。第一……」 その続きは、私達の上から来た。 「神姫の着る服は、神姫が作った方が正確だしね」 そこにいたのは、静香と武井さんだった。 「静香。お話、終わったんですか?」 「ええ」 この間エルゴで、この間作ったスーツをエルゴのラインナップに加えたい、という話が持ち上がっていたはず。おそらくはその算段だろう。 「どうだい? こびとの靴屋の感想は」 「びっくりしました」 そうとしか言いようがなかった。 「まあ、普通そうだろうね」 武井さんは私のひねりのない感想にニコニコと笑っている。 「そうだ。ウチのもう一人を紹介しとこう。タツキ」 そう言うと、傍らにいたタツキが、作業台の前に陣取っている神姫の一団に大声を投げ付けた。 「お姉ちゃん! オーナーが、ちょっと来てって!」 「何だいオーナー? 今、仕上げで手が離せないんだけどさー」 そう言いながらやって来たのは、一体のツガル。 タツキと鏡合わせの右だけのおさげに、白いツナギを着込んだ子だ。広い工房を移動するためだろうか。本来のツガル装備ではなく、翼を短く切り詰めたアーンヴァルのウイングユニットを背負っている。 「アギト……じゃない、アキさん。こちら、戸田さんとこのココ」 「ココです。よろしくお願いします」 そっと右手を伸ばせば、ふわりと包み込むタツキとは反対に、力強く握りしめられた。 「そっか。あんたが……」 「……?」 明らかに私のことを知っている口ぶりだ。 「どこかで、お会いしましたっけ?」 「いや。気にしないでくれ」 武井さんのように、静香あたりから聞いていたんだろう。どんな話を聞いていたのかについては、あまり聞きたくなかったので軽く流す事にする。 「アキだ。オーナーんとこで『こびとの靴屋』の現場監督をしてる。よろしくな!」 戻る/トップ/続く